• 定年男子のランとマネー

初心者向け投資セミナー

9月24日、大阪梅田で人気FPの前野彩さんが企画と司会を担当し、草食投資隊の3人が投資について語るというセミナーが開催されました。参加者が100人を軽く超える大盛況です。
講演は東洋経済新報社です。

長期投資の世界では、草食投資隊について知らない人はいないと思いますが、今回のセミナーは投資初心者向けに開かれたものだったので、3人が各々の会社の特徴と草食投資隊の来歴や活動について説明されました。

 

前野彩さん

その前に進行役の前野さんが、家計と投資について例をあげて話し始めます。

例えば、30歳の夫が妻と3歳、1歳を残して死亡した場合、国から遺族年金でいくら位もらえるかという設問です。
回答は概算で5500万円。

あくまで机上の計算ですが、この男性は5500万円の民間生命保険に加入せずに、その保険料分を、例えばIDECOに回して投資と節税のメリットを取ることができます。
また節税して税金が安くなれば保育料も安くなることもあるそうです。

前野さんの主張は、目の前の保険に飛びつく前に、社会保障の知識を使って、既存の制度を活用することを第一に考えようということです

これは非常に大切なポイントです。

自分たちが暮らしている社会の制度を知っている人は極めて少数です。

年金制度を始めとした社会保険だけでなく、自分が居住する市町村の補助制度、自分が勤める会社の福利厚生などで活用していない制度がいっぱいあります。

この辺りを(前野さんのような 笑)有能なFPに相談することで、驚くような節約ができると思います。

我々はもっと合理的に生きるべきなのでしょうね。

 

藤野英人さん

トップバッターは、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長です。

最近はテレビや新聞などの一般メディア媒体への露出が増えているので、ご存じの方も多いと思います。

藤野社長は日本を代表する「カリスマ・ファンドマネージャー」で、彼が率いる「ひふみ」ファンドは合計の投資金額で日本最大の日本株ファンドです。金額は3670億円。

フィデリティも、さわかみファンドも抜き去ったようです。

藤野さんの話はどれも面白いのですが、一つだけご紹介します。

2002年12月から2012年12月の10年間に株価が上がった会社は上場会社の中で70%だそうです。

残りの30%の会社は株価が下がったのですが、中でもTOPIXコア30と言われている大企業は-26%です。時価総額が大きな大企業がこれだけ下げたら、株式市場は盛り上がりませんね。

話はここからです。

70%の好調な会社は人材不足です。

TOPIXコア30の大企業は人が押し寄せます

株価が下がってダメな会社に若者が職と安定を求めて押し寄せます。

でも本当に安定しているのかな?というのが藤野さんの疑問です。

同じように、日本の将来はダメだ!と言う人が沢山います。しかし就職希望は公務員が増えています

藤野さんは日本がダメなら公務員に就職してはいけないでしょう、とも主張されます。

要するに、自分の人生の進路も投資も「自分の頭で考える」ことが大切だということです。

これは先ほどの「合理的に生きること」と同じです。

 

渋澤健さん

二番目はコモンズ投信の渋澤健会長です。

渋澤さんもメディアの露出が多い方ですので、面白かったお話を一つだけご紹介します。

まず座標軸を想定して、縦軸に「できる」「できない」、横軸に「やりたい」「やりたくない」を指標としておくと、

成功する人は「やりたい」「やりたくない」を主体に考えるのに対して、成功しにくい人(笑)は「できる」「できない」を中心に考えるそうです。

座標軸には4つの象限があります。

「やりたくない」「できない」は除外。
「やりたい」「できる」は問題なし。
「やりたくない」「できる」は厄介です。日々の仕事かな?(笑)
「やりたい」「できない」がポイントです

ここで「やりたい」から引っ張れば「できない」⇒「できる」になる可能性があります。

そのためには、やみくもに努力するのではなくて、自分の常識を見直して、自分の今までの枠の外から新しい考えを呼び込むことを薦めておられます。

 

中野晴啓さん

最後はセゾン投信の中野社長です。

10月から「つみたてNISA」の受付が始まるタイミングということもあって、
中野さんは「つみたてNISA」のメリットを強調されます。

特に現在の金融庁が、①銀行改革 ②投資信託改革 の二つを推し進めていることを「つみたてNISA」で対象となる投資信託の選定基準の具体例を挙げて詳しく説明されていました。

僕はもともと銀行に勤めていたので、今でも多少銀行関係者の友人知人がいますが、時代の変化に押されて銀行の内部は本当に大変なようです。

中野さんの言葉で面白かったのは、「全員が良いと思うものは儲からない」です。

貴方も私も普通の人間なのだから、貴方の考えることは私も他の人も考えていますよ、ということなのですが、プロの投資家の中野さんが「普通の人」の中にご自分を含ませていたのは印象的でした。謙虚な方ですね。

 

懇親会

懇親会は、一時間という短時間でしたが、草食投資隊の三人が各テーブルを回って、できるだけ参加者と直接話すという趣向でした。

この方々と直接話す機会は滅多にないので、これは本当に嬉しいサプライズです。

企画された前野さんの熱意と、それに応えて頂いたお三方に感謝ですね。

最後は抽選くじがあって、会場に来ていた兄妹の子供さんに「人生ゲーム」が当たりました。「人生と投資を考えて下さい」というメッセージかもしれませんね。

会場で話した方々は、殆どが若くて投資初心者でした。

ある男性は、三人の著書を全部買ってサインをもらっていました。これを読んで投資を勉港するんだと言っていました。

別の女性は、アセットアロケーションなどの投資用語を覚えたばかりで、IDECOやNISAを始めるために資産の配分を検討中で、それが面白くてたまらないと話していました。

若い人に投資を理解してもらう試みは、とても大切なことだと思います。

自分自身も何か手伝うことができればと思いながら帰路につきました。


コメント一覧

返信2017年9月25日 11:43 AM

こんの25/

たくさんのエッセンスがつまったセミナーをまたこちらのブログにて学ばせて頂きました。ありがとうございます

    返信2017年9月25日 11:59 AM

    セニョール25/

    こんのさま、コメントありがとうございます。ブログでは、ほんの一部のご紹介しかできませんでしたが、楽しいセミナーでした。

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