母が亡くなった直接の原因は、心臓の不整脈が原因の脳梗塞です。
でもその前に、施設にいるときに大腿骨を骨折しています。
ベッドに座って、1メートル先の棚にあるお菓子を取ろうとして床に落ちて骨折しました。
夕食後の時間で、おまけに床から動けなかったので、ベッドについているナースコールのボタンまで手が届かなかったそうです。
数時間後に巡回の人の足がドアの隙間越しに見えたので、床を叩いて知らせたそうです。
施設の人が救急車を呼んでくれて病院で緊急手術ですが、血縁者の承諾が必要です。
住民票は施設に移してあって、大抵のことは施設で対応可能なようにしてあったのですが、ケアマネージャーも看護師も入所者の身体に関わる場合はすべて血縁者の許可待ちです。
同意書に署名して、早速翌日にも手術をするのかと思うと「無理だ」とのこと。
血液検査の結果が良くない上に、数十年来の心臓病の結果、かなりの心臓肥大になっていて、大腿骨手術で血栓が血管を通じて心臓に入れば命が危ないということです。
足の骨を折っても、命にかかわるのか!というのは驚きでした。
障害を持つ高齢者の入所時の病気や事故を軽く考えすぎていたようです。
結局その病院では手術ができず、設備が整ったほかの病院で手術しました。
手術が終わって退院した時に、歩行のためのリハビリ病院を紹介してもらい3か月入院しました。
(入院は3か月が限度です)
頑張ってリハビリして、退院して施設に戻ってから1か月して、不調を感じて再入院。
元気になって、退院の日取りを決めるために僕たちが病院に行った日に「意識混濁」となり、1か月後に亡くなりました。
介護中に何回か入院して周囲は大騒ぎでしたが、医療費は健康保険のおかげで大きな費用にはなりませんでした。ただしギブス作成費用などリハビリ用具のお金はかかりました。
母は入所した施設を気に入っていたので、数か月の入院中も家賃などの費用を払って、帰る場所を確保していました。
施設に不在でも施設費用が毎月10万円くらいはかかっていたので、医療費などと合計すると施設にいたころより少しだけ安いと言いう感じでした。
老々介護でも一人への介護でも、周囲の人に発生するのは金銭よりも人的補助です。母を車に乗せて父の見舞いに行くとか、母の欲しいものを探して買ってくるとかです。
(因みに、母は施設に入る前の元気な時の記憶で、その時見たものを欲しいというのですが、記憶違いや商品自体が無くなっていることがあるので、上手く説明しないと不信感が発生する懸念があります)
この辺りは妻が協力してくれたので、非常に助かりました。
両親はできるだけ子供に迷惑はかけたくないと、お金の面でも生活の面でも自立を心掛けていたので、介護と言っても僕たちは「見守り介護」をやっただけです。
でも両親の最後の10年超を近くで過ごせて、少しだけでも親孝行の真似事ができたことは満足です。
「親は最後まで子供に教えてくれるなあ」というのが、両親が亡くなった時の実感でした。