母は40代から心臓が悪く自宅などで何度も倒れましたが、その都度幸運にも傍に人がいて助かりました。
50代でペースメーカー手術を受けて身体障碍者1級になりましたが、それから数年ごとに電池や機械の入れ替えで入院手術を繰り返しました。
また若い頃にかかった病気の後遺症が高齢になって影響したらしく、歩行がスムースにできなくて、おまけに酷い外反母趾でした。
両親ともに大阪市内の市営住宅に住んでいましたが、エレベータが無かったので階段の昇降に難渋していました。
父の認知症が顕著になってきて日常生活の危険度が増したので、僕の住居近くのアパートに引っ越して来ることになりました。
二人とも70代後半の移動です。
思い切った決断でしたが、それだけ切羽詰まっていたのでしょう。
母は、父が亡くなってから2年間は一人暮らしを続け、三回忌が終わってから施設に入りました。
介護付き有料老人ホームです。入った時は要介護1か2だったと思います。
母が入居したのは比較的新しい施設で、僕の家から車で10分くらいです。
費用は、管理費・共益費・家賃の合計が9.5万円、その他の費用が7~8万円でした。基本の生活費用は毎月17万~17.5万円ですね。
年間にすると204~210万円です。
ここで一年半過ごしてから亡くなりました。
地域や施設にも拠りますが、一人を介護するのに年間200~220万円とすると、
例えば、配偶者が亡くなってからの本人の余命が5年なら、施設に入ったとすると1000~1100万円くらいでしょうか。
(特養などの施設ならば、費用はもっと安いと思います)
母は、心臓の病気もあってずっと専業主婦だったので、収入はほぼ父の遺族年金だけでした。
父が亡くなった時に、支給が開始された遺族年金が思ったより少ないので困った顔をしていました。
両親はずっと賃貸住宅暮らしだったので、資産もない代わりに住宅ローンの返済も無くて、父の退職金の残りと遺族年金で母の介護に必要な費用を賄うことができました。
相続の揉め事も無くて、良い思い出だけ残してくれました。