森村誠一さんの「60歳で小説家になる」を読みました。
この本で森村さんは、まだまだ元気な60歳から未知の人生に挑戦する仕事として小説家になることを勧めておられます。
現在は定年後起業が多くなっている時代ですから、パソコンとプリンターがあればすぐにできる、元手いらずの職業として小説家は魅力的です。
実際に小説を書いている人も多いようです。
でも別の書籍を見ると、「小説家になるのは簡単だが、小説家であり続けるのは難しい」とも書いてありました。
僕もサラリーマン卒業の記念に小説を書きました。
初めから長編小説(原稿用紙300枚くらい)を書いてしまったので大変でした。
何が大変かというと、それぞれのパートで独立して書きたいことがあり、それが連なって全体としてまとまって一つのテーマが完結するのですが、たとえて言えば泥船に乗っているような感じでした。
あちこちで穴が開いて浸水するのを食い止めながら、オールを漕いで何とか前に進むという状態でした。
知っていると思っていて実は知らないことが続々と出てくるし、部分と全体が繋がっていてお互いに矛盾が無いか、意外性やユーモアがあるか、などと考えると頭の中が小説のことばかりになってしまします。
私生活で間抜けな失敗をしやすくなるのはこのころですね。
結構いろいろ失敗したように思います。(笑)
本人は小説のことしか考えていないので、失敗のことはあまり覚えていませんが、周囲に迷惑をかけたかもしれません。
原稿が完成して、編集や校閲が終わり、めでたく出版の運びとなると売れ行きと批評が気になります。
僕は無名の初心者なので、主に友達が買ってくれて「面白かった」と言ってくれます。友達は有難いものですね。悪いことをいう人はいません。
初めて小説を書いてみて、しばらくはこんな大変なことを続けるのは無理だと思っていました。でも本ができて、それを眺めていると、小説に書いた話とはべつの話を書いてみようという気になります。
40キロ超のトレイルランの大会や100キロのウルトラマラソンを走った後のような気持ちです。
走った直後は「疲れた、もう嫌だ!」、数日すると「次の大会はどこにしようか?」
現在2作目を書いています。
金が稼げる小説家になれるのか、趣味で書くだけでおわるのかはわかりませんが、
頭の中に書きたい話が湧いてくる間は続けてみようかと思っています。
定年男子には充実した時間です。