4月19日に「スポーツによる医学と社会の発展」というテーマで
大阪大学大学院医学研究科の中田研教授(スポーツ医学)の講演を聞いてきました。
初めは、ラン友さんに関係がある故障のお話でした。
中田教授の専門は整形外科ですが、ご自身のスポーツ経験もあって、スポーツドクターとして様々なスポーツ選手の故障にかかわっておられます。
主な経歴は、阪神タイガースチームドクター、日本テニス協会ナショナルチームドクターチーフ、それにVリーグ サントリー、Jリーグ 柏レイソルなどのメディカルケアーにかかわっておられます。
スポーツ選手に多い膝の半月板損傷では、これまでの半月板を除去する手術から半月板を縫合して再生する手術を研究しておられます。
これは半月板細胞を幹細胞やips細胞を使い、さらに細胞外マトリクスとしてコラーゲンを固形化して損傷した部位に埋め込む手術をすると、半月板が再生するという医療です。動画を見せて頂きましたが、損傷した膝の半月板部分にコラーゲンで作った細胞マトリクスを埋め込むと時間がたって半月板が再生していました。再生医療ですね。
これまでの手術例はまだ3例だそうですが、これから症例を増やして手術として認知してもらい、スポーツで膝に損傷を受けた人を助けていきたいとのお話でした。
膝の半月板を痛めている方は明るいニュースです。
日本人の平均寿命が世界最高などのニュースはよく聞きますが、健康寿命との関係をご存知でしょうか?
日本人の平均寿命は男性が80.21歳ですが健康寿命は71.19歳です。
女性はそれぞれ86.61歳と74.21歳です。
男性が9年、女性が12年もの要介護・要支援の期間があります。
この期間は、日常生活に制限のある不健康な期間です。
研究の結果、健康寿命を長くするための決め手は、
運動器と脳の健康ということがわかりました。
運動器は身体の運動器官です。東京オリンピックから継続する50年の追跡研究によって、若い時の高い筋力は高齢者の筋力アップにつながることが判明しています。
この研究により、国を挙げてロコモティブ・シンドローム撲滅を目指しています。
では健康寿命を延ばすために運動器に必要な運動量はどれくらいでしょうか?
運動量には家事や日常動作も含まれます。単位はメッツです。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-004.html
では必要な運動量をメッツで表すとどれくらいでしょうか?
ゴルフ 3.5メッツ、テニス5メッツ、サッカー 7~10メッツとして
週に3日、合計で週に1500メッツが必要とのことです。
これを例えばテニスに換算すると、5メッツ×300分=5時間
週に5時間テニスをすることになります。普通のサラリーマンにはなかなか高いハードルです。
これくらい運動しようと思うと、日常生活の中で如何に
運動するかが大切になります。例えばエレベータではなくて階段を使う、移動は車ではなくて電車や徒歩で行うなどでしょうね。
僕は現在は、毎日一時間で週5日くらい運動しています。運動量は多いと思っていましたが、合格最低ラインだったのですね。(笑)