• 定年男子のランとマネー

縄文杉登山

翌日はメインイベントの「縄文杉トレッキング」です。

 

午前4時半にガイドが車でホテルまで迎えに来ます。

ガイドの佐原さんです。

屋久島にはガイドが100名くらいいるそうです。

殆どが島外からの移住者で、佐原さんも大阪出身です。

ホテルで朝食と昼食用の弁当を受けとって出発です。

 

外はまだ真っ暗ですが、ガイドの車は荒川登山口めがけて坂を下っていきます。ガイドは慣れていますが、かなり狭い道で乗っているほうは少し怖かったです。

登山口で朝食をとって午前6時に出発しました。

 

装備は通常のトレッキング用品ですが、懐中電灯は必須です。杖もあったほうが良いと思います。それにしっかりした上下のレインウエアは必需品です。

トイレは出発点を含めて3か所です。

当日は約40名が歩いたようです。

ハイシーズンには1000名にもなります。渋滞してトイレは40分待ちも!

 

初めの8.5キロはトロッコ道で、途中にいくつか手すりのない橋を渡ります。

下を川が流れています。

雨の季節で増水しているときは迫力がありそうです。

 

トロッコは今でも資材を運ぶのに時折使っていて、日本最後の実用トロッコです。

そういえば今では珍しい木の電柱もありました。

ガイドの話では電話会社の方が見て驚き喜んだそうです。(笑)

 

トロッコ道沿いには、「三代杉」、「仁王杉(阿形)」などがありました。

 

三代杉」は1500年前に倒れた屋久杉(樹齢1500年)に二代杉が着生して樹齢1000年ほどで伐採され、そこにまた杉が着生して三代目の杉となっています。

 

仁王杉は「阿形(あぎょう)」と「吽形(うんぎょう)」があり「阿吽」の形を成していましたが、「吽形」は下の川のふちに倒れていました。

 

トロッコ道をひたすら歩いて2時間半。終点につくと大株歩道の入り口に入ります。ここから登山です。

 

道は岩場と木の階段です。よく整備してありますが、2.5キロで標高を400メートル登るので、結構厳しい道です。

 

木の階段を登って最初に出会うのは「翁杉」です。

 

樹齢は2000年と言われましたが、2010年に突然倒れたそうです。

それまでは鬱蒼と茂っていたのですが、倒れた後は空間ができて日光が差し込むようになり、自然の再生が進む様子が感じ取れます。

 

しばらく行くと「ウイルソン株」が見えます。

 

この杉は安土桃山時代に伐採されましたが、大正3年に屋久島に針葉樹の調査に来たイギリス人ウイルソン博士にちなんで名付けられました。

切り株の中は空洞で、あるポイントから見上げれば「ハート形」の空が見えます。

 

次は「大王杉」です。

樹齢は3000年以上で風格があります。

測定方法によっては「縄文杉」より長生きである可能性もあるそうです。

 

そして「夫婦杉」。

この杉は二本が仲良く手をつないでいるように見えます。

屋久杉は厳しい自然を生き抜くためにいろいろな変形をしていますが、二本の木の枝が直接つながったのは珍しいそうです。

ここで杉にあやかって夫婦円満を願います。(笑)

 

最後にお目当ての「縄文杉」に到着です。

所要時間は約5時間半。暗いうちに出発してお昼前に着きました。

距離は約11キロ。

樹齢は2170年~7000年と諸説あるそうです。名前の由来も縄文時代から存在するからという説と縄文土器に似ているからという説があるそうです。

 

屋久杉の内部は下ほど空洞になっています。

杉は表皮に近い部分を通じて水分や養分を吸い上げるので、中の部分は朽ちて空洞化していくためですが、年輪も消えてしまうため正確な樹齢の測定が困難いなります。

 

江戸時代までは、杉の上の部分の詰まっているところを伐採したため切り株の背が高く、近代は木の利用が進み根元に近い部分から伐採されています。

切り株の高さを見れば、おおよそどの時代に伐採されたかが分かります。

 

切り株に種子が着生して「二代杉」「三代杉」になっていくのですが、杉に限らず「ヤマグルマ」などの木も杉に抱き着くように自生しています。また強風に耐えるように枝が八つ手の様になって一方向に伸びた杉も見られます。

 

縄文杉に行った日は、10日ほど前の大雪が残っていて「雪の縄文杉」を見ることができました。1週間ほど前は積雪1メートルで通行止めだったのでラッキーでした。

 

縄文杉トレッキングに限らず、屋久島は自然の影響が大きいので、ツアーや山行がコース変更や中止になることがあります。

僕らも最後の30分で急に冷たい雨が降ってきたのでレインウエアを身に着けました。

 

帰り道では屋久鹿が挨拶に出てきてくれました。

 

屋久島の哺乳類は、屋久猿、屋久鹿、モグラ、イタチ、ネズミ、コウモリだけだそうです。植物も苔類は豊富ですが、菌がないのでキノコは見ません。また川は水が綺麗すぎて苔はあるけれど藻は育たないので魚はいないそうです。でもかつて放流したヤマメや鯉がいるようなのですが、トレッキング中に見つけられませんでした。

ガイドの話では、夏のトレッキングで汗だくになれば、ここでドボンすることもあるそうです。

羨ましい!

最後に小さな花を見つけました。

屋久島の固有種の一つで、オオゴカヨウオウレンです。


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