家族のうちで父親が亡くなった場合には、例えば母親と子供二人ならば相続財産は4800万円まで相続税は非課税です。(3000万円+600万円×3名)
自分の実家にはそんなに多額の資産はないはずと思っていても、大都市の住宅地では不動産の価値が案外高いこともあるでしょう。
もしも財産総額が4800万円以下でも、金融資産のみなら分割できますが、不動産が加われば分けるのに時間がかかります。不動産を売却するかどうかで、相続人の間で意見が分かれることもあるでしょう。
家族間での普段の行き来が少なければ、コミュニケーションの土台つくりからやるケースもありそうです。
両親が亡くなって遺産の配分が解決しても、実家の荷物や家の処分に困っておられる話も時折耳にします。
思い出のピアノをどうしようか?父の描いた油絵は捨てにくいし、など。
実家自体も自宅から遠隔地なら住むわけにいかないし、場所や物件によってはすぐには売れない、また市場価格は売りたい価格よりかなり低いなど悩みは沢山あります。
これらの問題を一瞬にして解決する答えは今のところ存在しません。
これらの問題を解決する答えは、
できるだけこれらの問題に直面しないように普段から手を打っておくしかないと思います。
問題の所在と解決の優先順位をはっきりさせておけば、ほとんどの問題は専門家がなんとかして解決してくれます。
逆に、何が問題かはっきりしない場合や、解決の優先順位がなくて全部一度に解決してくれと言われると、優秀な専門家でもお手上げです。
例えばご両親がずっと借家住まいで、分割するような不動産はなし。その代わり投資信託や保険などの金融資産が少しあるとしましょう。
父親が認知症になりお金が必要になって、母親が投資信託の解約と保険の整理をやろうとしても、これらの手続きは原則本人でないとできません。(特例でやってくれる金融機関はあるのかもしれませんが)
両親ともに高齢の場合は、どちらが先に亡くなるかわかりません。預金通帳は名義人の死亡を銀行が知ったときに凍結されます。
父親が亡くなった場合には、遺族年金が支給されるまでには少し時間がかかることがあります。母親の当面の生活費や父親の葬儀費用に困らないようにしておく必要があります。
親が亡くなると遺品を整理する必要があります。高齢で身体が不自由になると、自分の所有物を整理しないままに亡くなることがあります。遺品は一定期間を置いて形見分けに必要なものをそれぞれが持ち帰った後で残りの品を処分することになります。
家族で遺品を処分するとなかなか終わらないので、専門の人に頼むか、アルバイトなどを雇って居住地の焼却場に持ち込むことが考えられます。焼却場には通常細かな処分品の規則があるので、ルールを良く知る専門家に依頼するほうが良いかもしれません。
両親を見送ると、いつかは自分の番がやってきます。
自分の時はできるだけ余計なものは残さないでおこうと考えるならば、普段から不要不急のものは買わない。場所はとらない。使わないものは早めに捨てることを実践することです。
簡単ではありませんが、大抵のものは捨てても無くしても何とかなるものです。余計なお金も使わなくなるので、自然とシンプルな生活が遅れます。